P&Gのコミュニケーション力はコンサルばりの論理力

アリエール、ボールド、ジョイ、ファブリーズ、パンパース・・・私たちの日常生活になくてはならない多くの商品を世に送り続けているのが P&Gですよね。

アメリカに本社を置き、世界70カ国に97,000人の従業員を抱える一大グローバル企業です。2019年8月期連結の売上高はおよそ7兆4000億円、営業利益6050億円となっています。

 

今回読んだ本で「P&G式 伝える技術 徹底する力〜コミュニケーションが170年の成長を支える〜」というのが非常にタメになる内容だったのでブログに起こします。

 

 

P&Gのコミュニケーション

  1. 「3つにまとめる」を徹底する
  2. 「目的」を定義して常にこだわる
  3. 「イシュー」を明確にして問題の解決に挑む

 

 

1.「3つにまとめる」を徹底する

 

「どんな時でも、話は3つのポイントにまとめなさい」P&Gに入社したら最初にこの考え方を徹底的に覚え、論理的コミュニケーション力を磨くそうです。

 

例えば、自分が担当している新製品の販売状況を上司に報告するとき

  1. 今回の新製品の売上、販売量の推移は共に予定通りです
  2. 商品の特徴が明確にターゲットに伝わっていると確認できています
  3. 来週はリピート購入が始まりますので、来週が重要です

 

例えば、上司を説得して、社外の研修に参加したい時

  1. 来週、東京で最先端のソーシャルメディアを使ったマーケティングセミナーがあります。
  2. セミナー料金はこの金額ですが、申し込んでもいいでしょうか?
  3. セミナーで学んだことは、まとめてあとでみんなに紹介します。

 

このように、状況報告をするときには

  1. 結論
  2. 理由
  3. 今後のプラン

相手に合意を得たいときには

  1. 背景
  2. 結論
  3. 理由

といった感じで構成を3つのポイントにケースに応じて使い分けています。

 

この「3」という数字を意識することで、重要な情報のみを選んで相手に論理的に伝えるコミュニケーション力が身についてくるそうです。

 

 

2.「目的」を定義して常にこだわる

 

P&Gでは思考のベクトルを周りと合わせ続けるために、

「今回の新製品発売の目的は?」

「この販売促進企画の目的は?」

「この会議の目的は?」

というやり取りを日常的に行い、目的を明確にしてお互いが協力しあってチームとしての成功を目指すための議論をしています。

 

「すべての活動には目的があるべき」

「目的を達成する活動だけを行うべき」

という意識をすべての社員が持っているそうです。

 

私自身も、普段の仕事における会議や打ち合わせの場で「なんだか噛み合わないな」「話が変な方向に進んでるな」と感じることもあるのですが、このように目的を常に明確にすることが欠けていたように思います。

 

「この活動の目的は何か?」

「その目的は正しいのか?」

常にこの2つの質問を心がけることで、無駄な仕事を減らし、より重要な仕事に集中して取り組めるようになるそうです。

 

 

3.「イシュー」を明確にして問題の解決に挑む

 

「イシュー(Issue)」とは英語で発行、刊行という言葉の他に、論点・課題・問題点というような意味で使われる言葉です。

 

たとえば、何人かが集まって話を始め、あれも問題だ、これも問題だなどと様々な話が出てきて会話が混乱し始めたところに「で、イシューは何?」と誰かが切り込んで議論すべきポイントを整理します。

 

これは先ほどの「目的」にも共通していますが、論点や問題点をできるだけ明確にして、エネルギーを注ぎ込むこと、取り組むべきことを明快に定義しようという意図があります。

 

どんな状況でも、最も重要なイシューが何かを明確にして、それに対処できる能力を身に付けることがビジネス成功の鍵になります。

 

 

いかがでしょうか?

これらの力は一朝一夕で身につくものでは決してありませんが、日々意識しているかどうかの差は大きいと思います。

私もこの3つを心がけて、日々の仕事に取り組んでみたいと思います。